増田ふるさと公園の四季 里山とは何だろう?
辞書を引くと「集落の近くにあり薪炭用木材や山菜などを採取していた、人と関わりのふかい森林と それに隣接する田畑、ため池,用水路などがセットになった自然を里山と呼ぶ」とある。この辺りもかつてはそうであった。 薪炭生産のために、伐採や、株立ち、植栽を繰り返してきた二時林にはキノコも沢山生えた。 現在、日本の高等植物の1/3が絶滅の危機に瀕しているとの報告がある。つい最近までごく普通に見られた昆虫や植物が絶滅危 惧種に名を連ねている。 燃料は化石燃料に変わり、山は見向きもされなくなってきた。単に風景の一部分としての存在でしかない。 また、山林や平地が「開発」の名のもとにゴルフ場や公園になり、今まで見たことのない様な植物が植栽されている。 公園と名は付いているが、ベンチも遊具もない。ただ懐かしい里山の原風景が穏やかに心を癒してくれる。
|
||||
いのち萌える里山の春
1、2月 公園の一年は、野山が未だ眠りについている1月下旬の「畦焼き」から始まる。増田地区との共同作業だ。 山際の水路には、セトウチサンショウウオや、ニホンアカガエルの卵塊が、水路の脇では、泡でつつまれたシュレーゲルアオガエルの卵塊が観察できる。 一方、野に目をやると早くもオオイヌノフグリやキランソウがコバルトブルーの花を付けだした。 春はすぐ目の前まで来ている。 |
||||
4月には春の七草が揃う。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ。
しかし、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)は栽培していないので五草だ。丁度この頃、「木の芽や草の芽を採って観察し 口にして公園の春を学び、楽しんでもらおう」と計画された「春の野草会」が開かれる。 三愛研が毎年行っている活動の一つである。 |
||||
夏は貴重種のオンパレード 新緑の山裾に、ピンクの絵の具を落としたように、コバノミツバツツジが咲きはじめると、 7、8月 貴重種のオンパレードだ。
イシモチソウ、カキラントンボソウ、水辺では、ガガブタ、マルバオモダカ、ミズオオバコ、ミズトラノオ、 魚類のメダカやカワバタモロコ、ニホンバラタナゴの元気な姿も見られる。 昆虫では、シジミチョウ、ヒョウモンチョウの仲間コシアキトンボ、ハグロトンボ、チョウトンボ、 絶滅危惧種のコバネアオイトトンボやベニイトトンボなど一日居ても飽きることはない。 |
||||
実りの秋にはフェスティバルも 9、10月 万葉集に「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。
萩の花、尾花(ススキ)葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌(キキョウ)の花」(山上憶良)と詠われた、 秋の七草がすべて一ヶ所で観察できるのは、おそらく全国的にも少ないだろう。 11月 ヤマラッキョウやリンドウが満開の11月初めには「ふるさと公園里山まつり」が開かれる。 |
||||
[ このウインドウを閉じる ] |